Swan Styleのどのような仕事なの?

どのような仕事なの?

ご挨拶に代えて ~人生に寄り添うレジデンスコンシェルジュたち~

「レジデンスやマンションのフロント?
それはホテルのコンシェルジュと同じようなお仕事ですか?」

 

私がこの仕事のことを話すと
ほとんどの方から、このように尋ねられます。

 

たしかに似ています。
目の前のお客さまのお役立つために全力を注ぐ、という点では
まったく同じです。

 

けれど、違うことがひとつ。
それは「そこで暮らしている人」がお客さまだということです。

 

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お客さまにとって繰り返される日常が、私たちの舞台です。
キラキラしたサプライズや
アニバーサリーの感動秘話が溢れているわけではありません。

 

どちらかと言えば縁の下の力持ちです。

 

カウンターではニコニコと笑っていますが
バックヤードではパソコンに向かって
ひたすら、黙々と
清掃スケジュールの入力をしていたりします。

 

目を引くパフォーマンスは殆どありません。
それよりも誠実にコツコツと信頼を積み重ねていく毎日です。

 

仕事で楽しいと思うのは
お子さまの成長がみられることです。
ベビーカーに乗っていた赤ちゃんが
歩けるようになったりすると、嬉しいですね。

 

褒められること?
正直なところ、あまりありません。
時には理不尽に怒られることもあります。

 

そして朝も昼も夜も真夜中も
フロントカウンターを訪れる入居者様やゲストの
話を聞き、寄り添い、役立とうとしています。

 

仕事を始めて一年くらい経った頃でしょうか。
心の中で(ちょっと苦手だな・・)と思っていた男性入居者が
カウンターで伝票にサインしながら、ボソッとおっしゃいました。

 

『今日は居るんだ。じゃ、安心だ。』

 

驚きと嬉しさで、何と返していいかわかりません。
「あ・・えと・・・ありがとうございます」
口ごもりながらお礼を伝え、一礼して前を向くと
その方は、もういらっしゃいませんでした。

 

あぁ、ちゃんと伝わってたんだ。
頑張っていてよかった。

 

と、心の中で小さくガッツポーズ。

 

もっとお役に立とう。
その方が次にカウンターに来たときは
これまで以上にサポートしてさしあげよう。
そんな風に改めて思うのです。

 

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これらの言葉は、私のオリジナルではありません。
コンシェルジュの皆さんと重ねてきた対話の中の言葉を
拾い上げました。

 

この仕事を一言で伝えるのは難しい。
難しいけれど、敢えて言うならば

 

「人生に寄り添う仕事」

 

でしょうか。

 

お客さまの日常はお客さまの人生そのものだからです。

 

Written by 工藤静香