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お知らせ

日本文化から学べること ~茶懐石に込められた思いやり

こんにちは。スワンスタイル工藤静香です。

月に一度、心を整えるために
ビジネス茶道」 に通っています。

先日は元赤坂の名店「懐石辻留」での茶懐石でした。

 

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◆茶懐石とは?

正式なもてなしである茶事の中で出される食事です。

献立は一汁三菜(お味噌汁、向付、煮物、焼き物)が基本です。

主役は最後の「茶事」であり、食事はそれを引き立てるためのもの。

茶事に足を運んでくださった客人への労いの気持ちと

空腹で濃茶をいただいて胃に負担をかけないようにという

配慮からくるものです。

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私にとっては、初体験の茶懐石。

細かな作法がおぼつかず時に冷や汗をかきましたが

それ以上に

もてなしの心と日本人らしい和の精神を感じた

素晴らしい時間でした。

 

私が思わずうなったポイントを

ほんの少し紹介します。

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1、一文字によそわれた白米は、炊き立てを蒸らさずにのせる

茶懐石ではご飯のお代わりを楽しみます。

一杯目は水分をたっぷり含んだみずみずしいものを。

二杯目は表面の水分が飛んだ米本来の味を楽しめるものを。

・・・と、味の移り変わりを感じてもらうためなのだそう。

※この写真は一杯目、蒸気が水滴になっています。

 

2、お漬物の沢庵は、一番最後にお椀についた米粒をぬぐうようにしていただく

3種類あるお漬物のうち

真っ先に沢庵を口に入れてしまった私は

それを聞いて思わず天を仰ぎましたが

聴けば

その合理性と客人としての礼の尽くし方の両立に

いたく感激しました。

 

3、食事の終了は、客人が一斉に箸を音を立てて置くことで水屋へ伝える

水屋とは、食事の配膳係のことです。

水屋は、ふすま一枚を隔てた客人の声や気配で

進行具合を察しながら、食事を出しています。

客人全員の食事が終了したら、主客の言葉を合図に

箸を「ことり」と音を立ててお膳に置きます。

(決してたたきつけるような音ではありません。)

これを客人が「阿吽の呼吸」で行うわけです。

一つひとつは小さな音ですが、それが一緒になることで

水屋にしっかり伝わる合図になるのです。

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このように食事のいたるところに

人への思いやりを込められる日本人の心の豊かさ・・・。

本当に素晴らしい!

※辻留女将の所作、佇まいの美しさといったら!
画像掲載の許可をいただいております。

 

先人たちは

これらのことを自然と行ってきたのですね。

私たち現代の日本人も

知って、体験して

受け継いでいきたいな、と思いました。

 

▼ビジネス茶道

ビジネス茶道とは

表千家 水上繭子(宗恩)先生が開催する

ビジネスマンの心の落ち着きと人間力を高めるための茶会です。

月に一度日本橋コレド室町 橋楽亭で開催しています。