Swan Styleの10 4月 2020

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♯新人教育 今時の新入社員への指導の仕方のポイント

最近の新入社員の3割は3年以内に辞めてしまうといいます。退職理由には「上司との関係の悪さ」を挙げるケースが少なくありません。上司の側も、パワハラ防止法の制定により、どこまで叱ったらよいのかわからず、指導方法に悩んでいる方が多いようです。そこで今回は、今時の新入社員の特徴を理解し、適切な指導を行うポイントをご紹介します。

 

1.フルゆとり、スマホネイティブ世代の特徴

最近の新人の特徴は大きく分けて「フルゆとり世代」「スマホネイティブ」の2つがあります。

 

小学校1年から高校3年まで一貫して「ゆとり教育」を受けてきた彼らは、「ほめて伸ばす」「興味関心のあることへの没頭を推奨する」関わり方を受けてきました。そのうえ、超売り手市場の就職活動で、企業を「自分が評価をする、選ぶ立場である」ことを強く体感したため、「自分を中心に物事をみる」傾向が強くなっています。そのため、失敗や叱られるなど、「自己肯定感」が損なわれることには積極的になれない、自分の気持ちが伝わらないと判断した相手とは積極的に関わらない、という特徴があります。

 

また、スマホ保有者数がガラケー所有者を超えた2013年に思春期を過ごした「スマホネイティブ世代」で、何かに悩んだ時にはすぐ検索できる環境で育ったため、行動をするよりもまず調べたり、人に聞いてから行動したりするという習慣が身についています。そのため上司から「まずは行動だ!」「失敗から学べ」と言われても戸惑ってしまうことが多いようです。

 

2.ただ目標や役割を伝えるだけではダメ!○○感も満たすのがポイント

「フルゆとり世代」「スマホネイティブ」の最近の新人は、

・おとなしくて真面目。言われたことはほどほどにこなし、失敗を非常に恐れる「安心安全タイプ」

・積極的だが、自分の考えに合わないことは排他的になる「自己偏重タイプ」

の2タイプに大きく分けられます。

 

両者とも「どれだけ自分を見てくれているか」を意識しており、自分の気持ちが伝わらないと判断した相手との関わりを避ける傾向があるため、頭ごなしに会社や部署のやり方を伝えると、パワハラだと感じたり、「退職」を意識し始めてしまう可能性があります。

とはいえ仕事なので、褒めてばかりもいられませんし、指導すべき点はきちんと伝える必要があります。

 

そこでカギとなるのが「アサーティブコミュニケーション」です。

「アサーティブコミュニケーション」とは自分の考えを一方的に述べるのではなく、相手を尊重しながら適切な方法で伝えることです。

 

この世代への指導のポイントは、「果たすべき目標や役割、改善点をただ伝えるのではなく、褒める・認めるなど、自己肯定感を満たすことを意識する」ことです。

 

具体的には

・「安心安全タイプ」は失敗を非常に恐れるため、ただ目標・役割を伝えるのではなく、少し先のゴールを見せながら「ここまでやってみよう」とペースを共有する。

・「自己偏重タイプ」の積極性を削がないように背中を押しつつ、「自分視点」に偏りすぎないように、「相手視点」や「全体視点」の大切さを伝える。

などです。

 

先輩に厳しく育てられた世代にとっては、「なんで自分がそこまでしなくては」と思ってしまいがちですが、嘆いていても相手は変わりません。

「今後の会社を支える人材を育てている」というゴールを見すえながら、新人教育と向き合っていきましょう。