Swan Styleの28 2月 2022

ブログ

サービス&ホスピタリティの現場より〜どんな名店でもサービスは‘人次第’〜

こんにちは、工藤です。
久しぶりの
「サービス&ホスピタリティの現場より」です。

さて先日のこと。
老舗の和菓子店に贈答用の菓子を求めに行きました。

贈りたいお相手は地方にお住まいの方で
全国の美味しいものをたくさんご存知でいらっしゃる。
それならば
百貨店やネットでは手に入らない品をお贈りしたい!
と、限定商品二つを手にスタッフに相談しました。

 

『この2つを一つの箱に入れることはできませんか?』

 

すると、ベテラン感を漂わせたスタッフさんが
『それはできないんですよ』と。

 

ん?でも‘詰め合わせ’ってあるよね?

と思いながら

『えと、何か箱のようなものに入れられませんか?』

と言うと

『これは、こちら(外装)が箱になってますから』

と。

 

いえ、そういう事じゃないんですけどね。

 

その後も、わたしは
『例えばこんなふうに…』と
具体的にアイデアを出したのですが
(どちらがお店のスタッフかわからない)

 

『でも不恰好になりますよ』
ピシャリと言い切られ
わたしは肩を落として『わかりました』と
引き下がるしかありませんでした。

 

でも、なんか腑におちないんですよね。

この商品をお贈りしたいし

なにより【できない】理由に納得できない。

 

試しに箱に入れてみて
『やはり格好悪いね』と思うなら諦めもつくけれど
あのスタッフさんは
箱を探そうとすらしていないですし。

 

未練たらしく限定品を手に持って
店内をウロウロしていたら
他のスタッフさんが、ご年配のご夫婦に
詰め合わせセットの中身をカスタマイズする提案をしています。

 

うん、やっぱり【できない】は違う!

 

そこで別のスタッフさんに相談しました。

 

すると
『はい、こちらのお箱に入れられますよ』
とさらりと言い、すぐに箱を組み立て
隙間を埋めるお菓子まで選んでくれたのです。

あのピシャリ対応の後だっただけに
地獄に仏のような嬉しさでした。

 

さて、ピシャリさんは
包装中の菓子とお礼を言うわたしに気がついたようで
そのスタッフさんとヒソヒソ話をしています。

その様子から見ると、ピシャリが先輩のようです。

ピシャリ先輩はわたしのところにやってきて
満面の笑顔で言いました。

 

『不案内で申し訳ありませんでした』

 

わたしは苦笑しながら心の中で

『不案内ではなく、不親切では・・・・』

『謝罪に笑顔は厳禁・・・』

と呟いていました。

いや、今思えば
言葉にしてあげたほうがよかったのかもしれませんね。

 

◆サービス業の人たちもイロイロ

『サービス業を選ぶ人たちは、みんなホスピタリティ精神あるんでしょ』
みたいに思われるかもしれませんが
残念ながらそうではないんですよね。

すこしキツい言い方になってしまいますが
『お客さまと関わる意欲=やる気 が無いスタッフ』
は、現場に一定数いるものです。
それは仕方ありません。

今回のピシャリさんにも
いろいろな事情があったのかもしれません。

詰め合わせできることを知らなかったのかもしれません。
(いや、あのベテラン感でそれは無さそう、笑)

疲れていて接客が面倒だったのもしれないし

わたしのことが気に食わなくて
意地悪したのかもしれません。

でも、小売は店舗での売上が生命線。
それなのに
【お客さまが買おうとしているのに自ら売らない方向に持っていく接客】
だったことは本当に残念でした。

どんなにブランド力があっても
老舗でも
サービスは人しだい。

 

ベテラン=知識がある

ポジションが上=良い接客をする

ということではないのです。

サービスは
その人の資質がにじみ出ますね。

あらためて感じた出来事でした。

私も気を付けます。笑。